環境サンプル中のDNAを網羅的に解析
次世代シーケンサーの登場により、大量の塩基配列が加速度的に産出されるようになりました。そして、環境微生物群集を対象に、新たな大規模メタゲノム解析への次世代シーケンサーの利用が注目を集めています。
メタショットガン解析の目的としては、「環境中の微生物群集から有用新機構の探索」や、「腸内・口腔環境や土壌・水質等の環境中に棲む微生物群集の調査」などが挙げられます。
ジーンベイでは、次世代シーケンシングサービスと組み合わせて、配列決定からデータ解析まで一連の解析を提供いたします。メタショットガン解析では、細菌を解析するメタ16S解析と異なり、ウィルスや真菌(カビ)なども一網打尽にシーケンスすることが可能です。
シーケンシング
- DNAサンプルを提供いただきます。
- DNA抽出から承ることも可能です。
- Illumina または DNBSEQのショートリードシーケンサーが標準ですが、NanoporeやPacBioのロングリードシーケンサーも有効です。
データ解析
⽬的に応じてさまざまなデータ解析が可能です。

得られたリード配列をアセンブリーします。冗長なリード配列をまとめることで以降の膨大な計算負荷を軽減する効果が期待できます。また、質の良いコンティグ配列が得られれば、遺伝子配列や遺伝子クラスター配列の情報を知ることも可能です。
メタゲノムアノテーションプログラムやBLASTXなどを用いて翻訳領域の予測とアノテーション解析を行います。この手法は特に有用酵素探索や環境中の微生物群集の機能予測などに有効です。
核酸配列データベースに対する配列相同性解析を行い、サンプル中の各配列について系統推定を行います。得られた結果をもとに、サンプルごとにどのような生物種がどのくらい含まれているかの菌叢解析を行います。
予測された遺伝子について、タンパク産物の機能分類を行うことでサンプル中の生物群集が持つ機能多様性を推定します。
解析例

COPD患者 8例(COPD01 ~ 08)と健常喫煙者 10例 (SCON01 ~ 10)の喀痰から抽出したDNAについてメタショットガン解析を行い、検出された上位30種をもとに存在量(正規化リード数)のヒートマップを作成した。