構造変異やメチル化も検出可能!
これまでにない「パネル解析」
5000を超える疾患関連遺伝子の全長を標的にしたロングリードターゲットシーケンスが登場しました!
ナノポア特有のターゲットシーケンス技術である Adaptive Samplingを基盤としており(Adaptive Samplingの詳細はナノポア社公式の解説ページ をご覧ください)、SNV/Indel、構造変異、フェージング、メチル化、反復伸長変異のすべてを一網打尽に解析できる強力なアプリケーションです。
本サービスでは、DNAのお受け取りからデータ解析までを一式で実施しており、初心者のかたにも、ご経験者のかたにも、ご活用頂けるサービスとなっております。
- PCRフリーの、ロングリードターゲットシーケンス
- UTR、イントロンを含む遺伝子の全長に対応
- 疾患関連遺伝子 5,000以上をカバー
- ショートリードでは困難であった、難読領域の遺伝子もカバー
- 塩基修飾の検出も可能
解析事例
(3種の細胞株gDNAを用いた検証試験)
健常者由来B細胞株GM24385(HG002)、白血病由来細胞K562、乳腺癌由来細胞MCF7を用いてAdaptive Sampling (AS) による疾患関連遺伝子のターゲットシーケンスを行い、得られたデータの確認を行った結果を示します。検証試験の結果、本パネルを用いてゲノムの構造異常(転座、反復伸長変異)、メチル化状態の検出が行えることが確認されました。
シーケンス条件
ゲノムDNA各1.5μgを、gTubeを用いて10kbに断片化し、PromethIONフローセル1セルから3検体のシーケンスデータを得ました。
検証試験シーケンス結果統計情報

マッピング結果

得られたシーケンスデータをヒト リファレンスゲノム hg38にマッピングし、結果を確認したところ、Adaptive Sampling によるターゲットシーケンスによって、ターゲット領域のリードが濃縮されている様子が可視化されています(ターゲット領域外では短いリードが得られていることに注意)。
ターゲット遺伝子のdepth分布

通常、ナノポアシーケンスデータを用いた変異解析ではdepthの20以上のシーケンスデータの取得が推奨されます。疾患パネル Adaptive Sampling (AS) のシーケンスデータでは、大部分のターゲット遺伝子において、推奨depth以上のデータが得られていました。なお、腫瘍由来培養細胞であるK562(AS)とMCF7(AS)においてdepthのばらつきが大きいのは、ゲノムのコピー数異常が影響していると考えられます。
融合遺伝子検出例(BCR::ABL1融合遺伝子t(9;22))

慢性骨髄性白血病の原因のひとつとされるBCR::ABL1融合遺伝子について、各検体のマッピング結果を確認したところ、慢性骨髄性白血病 由来 細胞K562のみで、転座を示す異常が認められました。
メチル化解析例(SNRPN遺伝子)

父性発現インプリンティング遺伝子SNRPNのプロモーター領域内CpG配列について、健常者由来B細胞HG002のメチル化パターンを確認したところ、アレル特異的にメチル化状態の違いが認められました。
反復伸長変異解析例

Oxford Nanopore Technologies社のwf-human-variationパイプラインを用いて、ショートタンデムリピート解析を行ったところ、健常者由来B細胞HG002の片方のアレルにおいて、REF1遺伝子のAAGGGリピートの異常伸長(前庭反射消失症候群(CANVAS)の原因とされる)を検出しました。
パッケージ価格

- 抽出済みgDNA 2ug以上
- 濃度42ng/ul以上、液量10ul以上
(※濃度測定は蛍光定量法(Qubitなど)を推奨) - 30kb以上にメインバンドが見えること
- 分解が進んでいないこと
- EDTAを含まない溶媒を推奨
- シーケンス結果(fastq)
- メチル化解析結果
- SNV/Indel、SV解析結果
- 変異アノテーション解析結果
- 反復伸長変異解析結果
(希望される場合のみ実施)
ご興味のある方は、ぜひ上記のお問い合わせフォームより弊社スタッフにご相談ください。
ご参考までに、よくあるご質問を記載致します。
- ターゲット領域をカスタムすることは可能ですか?
-
可能ですが、パッケージ価格の提供外となります。こちらの「カスタムターゲット シーケンス」が該当しますので、お問い合わせフォームよりお声かけ下さい。
- 解析用のgDNAは、どのような方法で抽出すればよろしいでしょうか?
-
細胞種や臓器により、最適な手法は変わるかと思われますが、事前試験用に社内で抽出したgDNAに関しては、NucleoBond HMW DNA kitを使用しました。
- Qubitなどの蛍光測定機器を所持しておりません。
-
吸光測定濃度(Nanodropなど)をベースにお送り頂くことも可能です。蛍光法に比べて、高めの濃度が出ることが多いので、余裕を見た量のgDNAをご準備頂けますと幸いです。
- 着目している遺伝子がターゲットに含まれているか、確認頂くことは可能でしょうか?
-
確認可能です。ご希望のかたは、遺伝子のSymbol名等をご連絡ください。